有馬記念

有馬記念に行ってきた。
以前から一度は行ってみたかった競馬の祭典。
これまではなかなかスケジュールが合わなかったけど、今回はようやくということで。
競馬場には何回か行ったことがあるけど、この日は1Rから、以前行ったときの午後くらいの客入り。
前もG1がある日で人は多いはずなのに、それをはるかに上回る盛況ぶりだった。
しかもそれが時間を追うごとにどんどんと増えてきて、午後にはまともにレースを見られないくらいの混雑ぶり。
日本で一番人の集まるスポーツイベントとはこういうものか、と感慨にふけった。
予想で盛り上がる野郎連中、カップル、女性だけのグループもいたし、大学生っぽい若い男女のグループもいた。
床に座って酒を飲んでるおっさんやら、パドックで子どもにどの馬がいいかを訪ねる親父。
実に様々な人種が、このお祭りを楽しみに来ていた。
ぼくは、ひとり。

レースは戦前に挙がっていた3強による決着。
ゴール前の激戦は素晴らしいもので、勝った方も負けた方も、すばらしいパフォーマンスを見せたと思う。
場内の雰囲気も盛り上がっていて、人の生み出す熱狂のすごさを、改めて感じることとなった。
本命ガチガチの結果だったけど、それだけに払い戻しに向かう人も多かった。

ぼくはというと、混雑を予想して有馬記念とその前のホープフルSの馬券は最低限を前日にネットで購入。
後は現地で勝負して浮いたお金を・・・と思っていたのだけど、負けに負けて全部スってしまった。
ネットで購入した分も、本命サイドだけにトリガミ(的中したけど購入額を下回る払い戻し)に終わり、馬券的には非常にお寒い結果となってしまった。
うちひしがれたぼくは、北島三郎の歌も聴かず、そそくさと中山競馬場を後にすることにした。

と、そこで思いがけないことが起きた。
出口付近で、どこからか僕を呼ぶ声が。
振り向くとそこには、以前の職場の後輩だったFくんがいたのだ。
どうやら、友人とレースを見に来ていたらしい。
「今日ここで有馬見られたのも、ヒガシカワさんのおかげっすよー」
実は、彼の初めての競馬場経験は、ぼくと当時の先輩が誘ったことがきっかけ。
そんなFくんとひとしきり旧交を温め、記念写真を撮って、別れた。
10万人以上の人間がいる中で、こんなことがあるものなのか。
お金は失ったけど、この出会いがあったことで、心はだいぶ安らかな気持ちになった。

初の有馬記念では、苦い敗戦の記憶と、偶然の出会いが残った。
おもしろくなかったわけではないけれど、来年も行くかと聞かれれば、今はそのつもりはない。

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