異国にて
少し気になる話を聞いた。
日本の大学に通っている某国の留学生が、卒業後は日本の大手飲食チェーンに就職することになった。
彼は将来的に母国での起業を考えており、そのための勉強を現場でやるのが目的とのこと。
本人は「他の人の分まで一生懸命働く」と、やる気に満ちあふれている様子らしい。
彼は、国から学費の援助をもらって大学に通うほどの、いわゆるエリート層だ。
日本語もぺらぺらで、その辺の日本人よりもきれいな言葉を話す。
数回言葉を交わしたこともあるのだけど、人柄も申し分なさそうな好青年である。
一方で、日本の飲食業界、特に大手に関しては、すべてとは言わないものの、ブラック企業というイメージを持たれているところも数多く存在する。
ブラック企業の最もたちの悪い点というのは、本人のやる気や気力、責任感などを使い捨てて会社の利益につなげるところにあると思っている。
実際、ぼくも10数年前には大手居酒屋チェーンでアルバイトをしていたことがあるのだけど、社員は傍から見ても過酷な労働環境に置かれていた。
果たして、やる気に満ちあふれる彼が、異国の地で本人の思い描く未来へと歩んでいくことはできるのか。
その話を聞いて、少し心配になった。
勤める会社がいい会社であれば、いいのだけど。
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