過去の自分と比較して
抱えていた仕事に一段落がつき、何の気なしに、自分が昔書いた原稿をいくつか読み直してみた。
気になるところもちらほらあったが、それ以上に、文章からは熱のようなものが感じられた。
思えば当時の原稿は、目標に向けて意欲を燃やしていた頃に書いたものだった。
しばらく前、「お前の原稿の質は落ちた」と指摘を受けたことがあった。
自分としてはレベルアップのために、本を読み、論理を学び、アドバイスを受け入れ、文章力向上に努めてきたつもりだった。
それなのに真逆のことを言われ、正直に言って内心カチンときた。
具体的にどこがどう、という指摘もなかったのが、その思いに拍車をかけた。
それから時間が経って、今。
冷静に比較して、今の自分が書く文章は当時よりも優れているだろうか。
劣っているのは論外だし、同じくらいだったとしてもダメだ。
でも実際は、当時の文章の方がいいと感じる自分がいる。
ならば、その原因がどこにあるのかを探らないといけない。
技術的なものは、間違いなく向上しているはずだ。
であれば、何か変な癖がついたのか、あるいは失われたものがあるのか。
そこで浮かんだのは、あの頃の熱を今の自分が持てているのか、という自分への問いかけだ。
勢いは、間違いなく当時の方があった。
それが原因なのかは、今は断定できない。
情熱などという曖昧なものが技術を凌駕して文章の出来を左右するとしても、その理屈を説明できない。
ただ、この傷を放置すれば、文字通りの致命傷となるのは確かだ。
闇雲に手を伸ばしてもしかたがない。
まずは、原点に立ち返る。
自由にやれるところではもっと自由に、自分本位におもしろおかしく文章を書いてみてもいいのかもしれない。
あの頃は、もっと純粋なモチベーションで文章と向き合えていた気がするから。
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