被災地

復興大臣が失言をきっかけに辞任した。
メディアが報じる言葉に関しては、誇張や歪曲解釈もないわけではないので、前後の文脈なども含めて精査しなければいけないとは思うけど、辞任したと言うことは、今回はストレートにダメだったのだろう。

けしからん、と怒っている人はいる。
もちろん、東北出身・在住の人も多いと思う。
ただ、それ以外のうち、どれほどの人が「その後の」被災地を知っているのだろうか。
ぼくも、恥ずかしながら今の状況は分からない。

縁あって、ぼくは2014年、2015年に被災地を訪れている。
津波の直撃を受け、人口の1割ほどが失われた地域だ。
被災から3年半、4年半がたっていたが、復興はほとんど進んでいなかった。
仮設住宅も多く、土砂・がれきのたぐいはなくなっていたものの、そこから新しい建物は建たない。
それは行政の怠慢や人手不足などではなく、行方不明の人の土地が整理できない、という理由によるものだ。
できていたものといえば、馬鹿でかい防波堤くらいか。
ぼくはかつての街を知らないが、元のような雰囲気を取り戻すには、あと数十年かかるのかもしれない。

現地で会った人の言葉で、忘れられないものがある。
被災直後は、支援の手が差し伸べられ、芸能人も激励に来るが、3年、長くて5年もすれば一区切りがつけられる。
しかし、本当の意味での復興は、そこから始まるのだ、と。

今はぼくも、気がついたら東北を意識する、という程度にすぎない。
でも、現地を見ているからこそ、軽率な発言はできないし、してはいけないと思う。

また、東北でうまいものを飲み食いをしたい。
そうしてお金を落とすことが、直接的な支援ができない、自分にできることだと思うから。

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